夢中なもの?将来の夢?(星の王子さま⓪)
こんにちは、すぬーぴーです。
先ほどまで、母が大事に育てている「セントポーリア」という花の手入れの助手を1時間半ほど務めてきました。
セントポーリアとは室内で育てる四季咲きのお花です。
母は手のひらに乗るくらいの大きさの「セミミニ種」を、リビングの一角で育てています。
小さくて可愛らしいです。
そして、「手のかかる子ほど可愛い」と言いますが、本当に手がかかります。
例えば、今日手伝ったのは薬浴というお世話です。
薬浴とは、農薬を薄く溶いたぬるま湯で株をまるごと洗う作業のことです。
月に一度の頻度でするのが望ましいようで、セントポーリアを菌や虫から守るための消毒として行います。
最初は「え?花に薬かけるの?萎れない?」とびっくりしました。咲きかけの蕾はだめになっちゃうけど、株全体を守るためには必要なお世話だそうです。
農薬を使うので、株にかけた水をそのまま台所で流せません。公害になるので。
昔使っていた小さなプラスチックの水槽に使用排水を貯めて、ベランダのプランターに入っている土にかけます。
そうすると、農薬の成分が分解されるので大丈夫だそうです。
公害に加担したくないと神経とがらせて作業に臨みます。「ぼーっとしてたらシンクに流しちゃった!」なんてことになったらいけない。
また、ぬるま湯を使うというのも一手間です。
冬のこの時期、適度にあったかいぬるま湯なんてあっという間に冷えちゃいます。
セントポーリアに冷水はだめ!だそうで、やかんでお湯を沸かしてポットに入れておいて、使う分を冷たい水と混ぜて23℃くらいに調節して、冷えないうちに使います。
また、セントポーリアにかけた農薬が葉っぱの上にいつまでも残っているのもだめだそうで、葉っぱや花芽が傷んでしまいます。この現象を薬浴障害といいます。
農薬が手につかないようにピチッとした手袋をはめて作業するので、なんか手術してるみたいな感覚です。
母のオペを手伝いながら、セントポーリアって泣かない赤ちゃんみたいだなって思いました。
母はセントポーリアを可愛い可愛いと大事に育てています。母は動植物が好きで、お世話をするのが苦でないようです。
ちなみに薬浴の時に使うプラスチックの水槽は、数年前まで熱帯魚のお世話に活躍していました。
昔はハムスターも飼っていたのですが、残念なことに母がアレルギー持ちになって以来飼っていません。
セントポーリアをせっせせっせとお世話をする母を見ると、自然を愛する人は心が豊かなようで羨ましいなと思います。
私は動物にも植物にもあまり興味がありません。外見を見て可愛い、綺麗と思うことはあるのですが、飼いたい、お世話したい、とは思いません。
大きく心が動かないのです。
なんでだろうな~昔は芋虫とか捕まえて遊んでたのにな。カマキリと対決したり。
綺麗な花を見ても木を見ても、心の表面のような浅いところで反応はするのですが、感動!とはならず。なんだか上の空。
感動できたらいいのにな、、、って感じです。
じゃあ、自然には興味ないけど電車愛してるぜ!とか、
アニメなら何時間でも語れる!とか、
お洒落だいすき!とか、
他に夢中なものがあるかっていうと、黙ってしまいます。趣味を質問されるのが辛い。
ただいま休止中の公民館英会話サークルメンバーの趣味の多いこと!ときめきに溢れてる人生だなって圧倒されます。
先月決行した片づけ祭りで痛感したのですが、私の生活ときめき少ねえな。
勉強は楽しいです。英語楽しいです。でも、なんか違うんです。
英語はコミュニケーションや情報収集のための道具ですので、習得すれば旅行が楽しくなったり、仕事に生かせたり英語の文献を読めたり、良いことがたくさんあると思います。
私の場合、英語の勉強はしたいけど その先がぼんやり霞がかっていて。
前回の備忘録で書いたように「日本語わかんなくて困ってる人助けられたらいいな」くらいのぼんやり感。
旅行に行きたいわけでもないし、世界に友達作りたいわけでもないし、仕事に生かしたいわけでもないし。
昔からそうなんだよな。
小学生の頃の文集で将来の夢を毎度聞かれたけど、苦し紛れにペット屋さんって書いたり、「今は夢がないけどいつか見つかったときのために勉強頑張ります」って書いたり。
中学生の頃は、農業の方に進みたいって思ったけど、本当のところは
「周りに農業方面目指してる人いないからそれを夢にしたらなんか格好いい」的な考えによるものだったような。だって、「農業のどの分野に行きたかったの」って聞かれても答えられない。
高校以降は双極発症して以来夢云々の話じゃなかったしな~。明日の自分も見えないのに将来のことなんてな。
症状が落ち着いてから、何か心動かされるものはないかと美術館を回ってみたこともあるけど、空振りだったな。
そういえば幼少期、母に「将来子供10人生んで野球チーム作る!」なんて言っておりましたが、それも本の主人公の台詞をそのまま丸覚えしただけです。母のウケが良いのが嬉しかったから。
私、生まれてこの方、将来の夢を見据えたことないぞ。
そりゃ、夢なくても生きていられるだろうけど。
好きなものにときめいている人を見ると、自分にないものを眺めているようなシンとした気持ちになります。
この前、星の王子さまを読みました。
王子さまが地理学者と話すシーンがあります。
その学者は人づてに聞いた情報を元に地図を作りますが、自分がその地に赴いて調査することはありません。
私と似てるな。机の上で書き物をするだけで、実際にその知識が使えるのかどうか確かめないんだから。
星の王子さまを読んで、なんだか「私に足りないものがこの本に凝縮されている」ような気がしました。
じっくりゆっくり読みながら、自分について色々思いを巡らせてみるのもいいかもしれない。
根気の要る作業をできるか分かんないけど、できたらいいな。
星の王子さま、私の心に流れ星のようなキラッとしたものをひとつ投げ込んでください。
備忘録に書き残せたらいいな。
希望を込めて、今回の備忘録のサブタイトルを「星の王子さま⓪」とします。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。